支部長挨拶・運営方針

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支部長挨拶Greeting

渡辺貢日本支部長
渡辺貢

世界かき学会の支部体制が発足し、本格的に支部活動を始めるにあたり、日本支部長としてここにご挨拶させて頂きます。

今後の人類にとって、食糧問題が重要な課題となることは、歴史的著書であるローマクラブの「成長の限界」にも明らかであります。この食糧問題に対応するために、海洋からの食糧確保は重要であり、かき養殖はその中でも重要な位置にあると思われます。そのためにも支部の先生方と連携して智慧を結集し、「持続可能な牡蠣増養殖」を推進し食糧問題に対応して参ります。この運動の推進のためにも、人類の存続・発展を考える上で、「人間を、自然より優越した存在とし、自然を人間の所有物であると考え、支配しようとするのではなく、人間以外の動物や自然についても尊厳という認識をもつ」との考えは重要であると私は思います。これは、森会長の提言である「海を生かし、海に生きる」「人は海に生かされている」と同様な主旨であると思います。

世界かき学会日本支部の運営方針の一つに、「牡蠣の付加価値を高める研究、技術開発を推進、奨励する」ことが挙げられます。牡蠣の食品加工だけではなく、栄養学、薬学、医学の観点より「かきの付加価値を高めることは、かきに対する認知度を高める」ことに通じ、必ずや人類の幸せに貢献できるものと確信しております。

今後、志を同じくする先生方とともに人類に貢献できることを楽しみにしております。ご尽力の程、宜しくお願い申し上げます。


運営方針Policy and Planning for Chapter Management

世界かき学会日本支部は、世界かき学会のビジョン・使命、目標に共感し、その実現のために行動を共にするものである。その上で、日本支部の特徴として以下の方向性を表明する。

1. 日本支部は、牡蠣のヒト・動物・植物の健康に対する機能性を探求し、牡蠣の付加価値を高める研究、技術開発を推進、奨励する。

牡蠣が食糧であるとともに、人類の健康に貢献しうる付加価値の高い産物であることを証明する研究は、牡蠣産業の地位の向上と発展に貢献する。牡蠣の付加価値を高めるために、水産学、栄養学、食品加工学、薬学、医学などを総合的かつ 相互的に結合し、牡蠣がいかに人類にとって付加価値の高い資源であるかを研究し、普及していく。
また漁場から食卓までの流通工程についても研究し、食の安全に寄与する。

2. 沿岸生態系の生物多様性の維持とその回復に関与する持続可能な牡蠣養殖の研究を奨励する。

水産資源の過密養殖は漁場の汚染や老化、赤潮などの環境問題を引き起こしてきた。牡蠣が、 水中のプランクトンや懸濁粒子などを濾過捕食し、水質環境の浄化を行っていることが広く知られている一方で、これらの餌による牡蠣の毒化による出荷停止などの被害も報告されている。健全な牡蠣の生産には海洋生態系の環境収容力を考慮する必要がある。そこで日本支部では、牡蠣の養殖環境の研究を推進し、沿岸生態系の保全と生物多様性の維持に寄与する持続可能な牡蠣生産に貢献する。

3. 日本支部は世界かき学会の使命の遂行を文化と言える次元まで昇華させる活動を行う。

牡蠣の養殖加工技術および加工製品と人類の健康に関する研究等は人類共通の財産である。それを文化という次元まで昇華することは人類にとって普遍的な価値となる。その文化を広く伝播し、次代に繋げることが、現在、牡蠣に関する研究を行う我々の使命と思われる。そこで、牡蠣が人類に与える利益に関する一般大衆の知識を向上させるため、牡蠣に関連する市民講座などを開催し、牡蠣に対する知識を啓蒙する。また、国内の牡蠣研究者、業者、教育関係者、関連自治体等と連携を取り、研究成果を共有できるシステムの構築を目指す。

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